ウォータースポットとは

Tokyo Chemical Lab/東京ケミカルラボです。

 

ウォータースポットって何故できるのでしょうか?

別名イオンデポジット、店舗さんによってはシリカスケールと呼ばれたりします。

ウォータースポットが何故発生するのか、考えていきたいと思います。

 

 

 

ウォータースポットとは?

 

 

目次
 
——————————————————————————————————————
 
 
 
1・ウォータースポットってなんだろう?その1
 
2・ウォータースポットってなんだろう?その2
 
3・ウォータースポットの原因は?
 
4・ウォータースポットの発生
 
・まとめ
 
 
 
 
 
 
—————————————————————————————————————–
 
 
 
 
 
 
 
 

ウォータースポットってなんだろう?その1

 

 

 

 

 

さまざまある車の汚れですが、厄介な「ウォータースポット(別名:イオンデポジット)」な発生する原因について、なるべくわかりやすく説明していきたいと思います。
 
イオンデポジット=ウォータースポット=シリカスケール

ネット上では良く見かける言葉ではございますが、主にウォータースポットと同義の言葉とされています。
 
しかし、英語圏ではそういった表現はせず、ウォータースポットと統一されているらしいことから和製英語だと推測されます。

さまざまな無機物イオン(ion)等が雨水や水道水、大気中に混ざり、車のボディやガラス等にそれらを含んだ水が付着し、蒸発したのちに、残留した堆積物(deposit)になるという意味。
シリカスケールはガラス等の製品に付着する白い水垢のようなものを指しますが基本的には同一のものだと考えられています。
当店のコラムでは英語圏でも一般的な用語「ウォータースポット(Water Spot)」に統一させていただきますのでご了承ください。

ウォータースポットってなんだろう?その2

 

 

 

 

ウォータースポット Water Spot  同義語:イオンデポジット:Ion Deposit  シリカスケール:silica scale


水染み、雨染み、スケール、ウロコ、水垢、クレーター等のことを指す言葉で、そららをひっくるめてウォータースポット、イオンデポジット、シリカスケールなどと様々なものを様々な呼び方をします。

とりあえずここではウォータースポットで統一します。

ウォータースポットは、車の外装ボディの塗装部や、窓ガラス等に発生する汚れとされ、プロでも落とすのが非常に困難なものです。

洗車や降雨、つまり車の表面に付着した水分が乾燥すると、ウロコまたはクレーター状に固着し、そららを長期放置すると蓄積され強度が増し、シャンプーで洗ってぐらいではびくともしなくなります。

ウォータースポットとは、ざっくりいうと塗装部やガラス等の素材に付着した水分に含まれるいろいろな物質が、水分の蒸発とともに塗装や窓ガラスに強固に固着していく、堆積固着する汚れです。

 
 
 
 
 

2.ウォータースポットの原因は?

 

 

 

 

一見すると無色透明の水。 しかし、飲んでみたりするとさまざまな違いに気づきます。
 
もちろん味も全然違います。
 
雨水や、地下からくる水道水・井戸水などにはさまざまな物質が含まれそれぞれに特性があります。
詳しく分解していきたいと思います。
 

雨や雪、大気から発生する水の場合

 

雨に含まれる物質は、当然ながら地理的条件(住んでいる地域)や季節(花粉や黄砂の時期等)などの状態によって大きく異なるようです。

水は様々な物質を吸収し溶かし込む性質があるため、雨や雪となって降り注ぐまでの間に大気中の有機物、無機物を取り込んだ上で地上に降りてきます。

雨水によるウォータースポットの原因物質は、硫黄酸化物(SOx)などを由来とする有機物イオンや酸性雨の原因物質である窒素酸化物、細かくいえばニッケル、銅、亜鉛、銀、カドミウム、鉛などの重金属類イオンなどが含まれているとされています。

前述してように季節によって変化が多いため、花粉や黄砂などの季節や場所によって大きく変化する場合があります。
しかし、天然の雨等は花粉や黄砂の時期ではない限り、比較的ウォータースポットになりにくいと言われています。


水道水や井戸水の場合

 

 

水道水や井戸水は、元々の水質や、水道水として後から添加されるものなど(例えば虫を沸くのを防ぐカルキ等)、ウォータースポットの原因となる物質が多く含まれています。

ウォータースポットの発生しやすいミネラルケイ素、塩素、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄などの無機物イオン等様々です。

前述したように雨水のような有機物や重金属類の含有量は微量であるので、比較的ウォータースポットの形成に時間がかかります。
日本の水道や井戸の水質は、ミネラルが豊富で飲んでおいしい軟水なのですが、特に井戸水はその分ウォータースポット化しやすいというデータが出ています。



3.ウォータースポットの発生



雨水や雪によるウォータースポットの発生




塗装や窓ガラスに発生したウォータースポットを観察していると、リング状の輪郭、水平な面での発生、夏季に発生しやすいことから以下のような原因を推測できます。

  1. ボディに付着した酸性雨等の水分が太陽熱で濃縮し、酸濃度が増大する。
  2. 1と同時に塗装が熱で軟化し、酸性の水分が塗装に浸入する。
  3. 酸濃度が高くなる雨滴外周部から分解が始まり、そこに雨滴が選択的に集まって輪郭部に深いエッチングを生じる。
雨水に含まれる有機物は、酸を含んだ酸性雨となってエッチングと同じようなプロセスで、塗装を腐食させていくものと考えられます。

「車の塗装は酸によって分解され、酸化ダメージを受ける」という分析が可能です。




(2)窓ガラスへの付着

硫酸、塩酸などの強い溶剤の容器がガラスであることから、ガラスは酸等の溶剤に耐えることが可能なので、窓ガラスは酸性雨によってダメージを受けることはあまりないと言われています。

窓ガラスに発生するウォータースポットは、無機物同士の物質が定着しやすいことから、無機物質の固着、蓄積されたものだと考えられます。


水道水や井戸水によるウォータースポットの発生

塗装は、樹脂や顔料などを原料とした有機物で、 水道水などをかけ拭き取らないと、水滴状になってその後次第に水分が蒸発し、水の跡が残ります。

水道水や井戸水に溶け込んだケイ素は、溶性ケイ酸:イオン状シリカとして存在し、水の蒸発とともに、マグネシウムやカルシウム等の金属イオンが結びつき、シリケート(ケイ酸塩)が発生します。

ガラスや塗装に堆積したシリケートが固着するとウォータースポット化します(シリカスケールまたは、イオンデポジットとも呼ばれる)ここではシリカスケールとします。

塗装面とシリカスケールは、主に「機械的接合」によって固着するとされています

※.機械的接とは=塗装面は少なからず凹凸がある。その凹部にシリカスケールが入り込み固化して界面が結合する。



窓ガラスへ付着したシリカスケール

ガラスが無機物であることから、頑固な汚れ(ウロコと呼ばれることが多い)になります。

その頑固なウロコはどのように付着するのでしょうか。

窓ガラスの主成分は二酸化ケイ素(SiO2)。
水道水に含まれるケイ素(Si)が、水分が蒸発する際に、ケイ素の酸化によってシリカ(SiO2)となります。

「同質のものはくっつきやすい」言葉があります。
窓ガラスとシリカは、お互いの電子を共有しあう非常に強い化学結合である「共有結合」を発生させます。

言い換えれば、窓ガラスとシリカが溶け合って区別ができないような状態になることです。

とはいえ、その固着したものは大抵は除去できるのでご安心くださいませ。
・まとめ
いかがでしょうか?今回は少し長くなってしまいましたが参考になれば幸いでございます。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。